先日、息子が学校別サピックスオープンを受けた。
午前は第一志望の早大学院。そして午後は早稲田。
試験が終わった直後、本人に聞いてみると、早大学院は「まずまず」。一方の早稲田は「かなり難しかった」とのことだった。
特に早稲田の算数は相当難しかったらしい。
そして先日、結果が返ってきた。
正直、かなり驚いた。
同じ日に、同じ子どもが受けたテストなのに、4科偏差値に約20もの差が出たのである。
早大学院は偏差値60弱。
一方、早稲田は40前半。
もちろん、学校別サピックスオープンなので問題も母集団も違う。偏差値だけを横に並べて単純比較するものではない。
それにしても、ここまで違うものなのか。
「やっぱり学校との相性ってあるんだな」
最初はそう思った。
しかし、今回は詳細な成績表も返ってきている。
せっかくなので総合偏差値だけではなく、大問別、さらには設問別まで徹底的に眺めてみることにした。
すると、「早大学院との相性が良かった」の一言では片付けられないものが見えてきた。
いま何ができているのか。何ができていないのか。そして残り約4か月、どこに時間を使うべきなのか。
今回は少し細かく分析してみたい。
※個人特定を避けるため、偏差値や得点、順位などは意図的に丸めて記載している。
早大学院は想像以上に戦えていた
まずは第一志望の早大学院。
4科偏差値は60弱。
そしてSAPIXの判定では、合格可能性70%だった。
さらに想定合格点を20点ほど上回っている。
これは親としても少し驚いた。
我が家ではずっと第一志望ではあるものの、「チャレンジ校」という感覚が強かった。
もちろん、学校別オープン1回の結果だけを見て、
「これはいける!」
などと思うつもりはない。
むしろ大事なのは、
なぜ今回これだけ取れたのか。
ということである。
そこで科目別に見てみる。
国語が完全に引っ張っていた
今回の早大学院で圧倒的に良かったのが国語だった。
偏差値は70超。
正確な順位は伏せるが、かなり上位だった。
しかも内容を見ると、単に漢字で点数を稼いだだけではない。
漢字は満点。
論説文も平均以上。
そして特に良かったのが物語文だった。
物語文では8割以上を取っており、受験者平均を大きく上回っている。
これは今回の結果の中では、かなり明確な「できていること」だと思う。
漢字が取れる。
論説文も読める。
物語文ではさらに取れる。
もちろん次回も偏差値70を超える保証などない。
それでも、少なくとも今回の早大学院形式では、
国語が明確な武器になった。
これは大きい。
算数は50前後。でも中身を見ると印象が変わる
一方、算数は偏差値50前後だった。
ここだけ見れば、
「やっぱり算数が弱いな」
で終わってしまう。
ところが大問別を見ると、ちょっと面白い。
早大学院の算数は、大きく分けると、
小問集合、点の移動、調べる問題、立体図形。
この中で息子が最も取れていたのが、なんと立体図形だった。
立体図形では6割以上を得点。
受験者平均は4割程度なので、明確に平均を上回っている。
逆に気になるのは前半である。
小問集合は平均以下。
点の移動も平均以下。
調べる問題も平均を少し下回った。
つまり今回の算数は、
「難しい問題が全然できない」
という結果ではない。
むしろ後半の立体図形では取れているのに、前半から中盤で取り切れていない。
ここはかなり気になった。
難問をもう一問解けるようにするよりも、取るべき問題を確実に取る方が、まずは重要なのではないか。
詳細成績を見ると、単なる「算数偏差値50前後」からは見えない課題が出てくる。
早稲田では算数がまったく違う結果になった
ところが午後の早稲田になると、その算数の景色が一変する。
算数偏差値は40前半。
大問別に見ると、
小問集合は平均程度。
図形の小問も平均程度。
割合は比較的取れている。
ところが、速さと立体図形でほとんど得点できなかった。
ここが非常に面白い。
午前の早大学院では、立体図形がむしろ良かった。
午後の早稲田では、その立体図形がほぼ取れていない。
同じ「立体図形」である。
だから、
「息子は立体図形が得意」
とも、
「息子は立体図形が苦手」
とも簡単には言えない。
問題の入り口なのか。
誘導の違いなのか。
難易度なのか。
時間配分なのか。
あるいは午前・午後と連続して試験を受けた疲労もあったのかもしれない。
今回の結果だけで原因までは断定できない。
ただ一つ言えるのは、
単元名だけを見て、得意・不得意を判断するのは危険だということ。
これは答案を並べて初めて気づいた。
「速さ」は要チェックだと思う
その中でも、算数で気になったのが「速さ」である。
早稲田では、この大問をほとんど取れていない。
しかも受験者平均では一定程度点が入っているので、
「みんな解けなかった超難問だから仕方ない」
という問題でもなさそうだ。
ここは明確に復習候補だと思う。
今回の2つの答案を見る限り、算数については、
取るべき前半問題の取りこぼし。
速さ。
問題によって出来が大きく変わる図形。
このあたりを重点的に確認したい。
「算数が苦手」という大きなくくりではなく、かなり具体的になってきた。
理科も学校によって大きく変わった
次に理科。
早大学院では偏差値50台半ば。
一方、早稲田では40前後。
理科も学校によって大きく結果が変わった。
まず早大学院を見ると、
水溶液・中和は平均以上。
天気・星座も平均以上。
生物も平均以上。
一方、電気分野では平均を下回った。
かなり分かりやすい。
ところが早稲田ではまた違う。
植物は平均を大きく下回った。
星座は平均以上。
燃焼・還元は平均以下。
運動はほぼ平均だった。
つまり理科も、
「理科ができない」
ではない。
天体のように取れているところはある。
水溶液や生物も、問題によっては取れている。
一方、電気や化学系の一部など、明らかに穴もある。
これも偏差値だけでは分からない。
社会は大崩れしない。でも武器にもなっていない
社会は2校とも偏差値50弱。
今回の4科目の中では、ある意味もっとも安定していた。
早大学院では半島や日英関係などで取れている一方、人口変動やアメリカ関連ではかなり落としている。
早稲田でも、地理・歴史は平均を下回り、公民は平均を少し上回る程度だった。
大崩れはしない。
でも国語のように全体をグッと押し上げてくれるわけでもない。
現状は、
「50前後を安定して取って、できればもう少し上積みしたい科目」
という感じだろうか。
詳細成績から見えた「できていること」
ここまで2つの答案を見て、いまの息子のできているところを整理してみる。
まず、国語の読解力。
少なくとも早大学院ではかなり高いレベルで戦えた。
漢字だけではなく、論説文、物語文でも点が取れている。
次に、算数。
偏差値だけを見ると決して良くはないが、難しい問題が全部できないわけではない。
早大学院の立体図形では平均をかなり上回った。
理科も同じである。
天体、水溶液、生物など、取れる分野ではしっかり取れている。
つまり今回の結果を見る限り、
「全体的に学力が足りていない」
という感じではない。
むしろ、
できる問題と、できない問題の差が大きい。
そして学校や出題形式によって、その差が一気に表面化する。
これが現状なのだと思う。
一方で「安定して取る力」がまだ弱い
逆に、今回もっとも気になったのが算数である。
早大学院では50前後。
早稲田では40前半。
早大学院では難しそうな立体図形が取れているのに、前半で取りこぼす。
早稲田では割合が取れているのに、速さや立体図形で止まってしまう。
つまり、
「算数の点数を安定させる力」
がまだ足りないように見える。
できるときはできる。
でも問題との相性によって大きく崩れる。
これは本番を考えると怖い。
だからこそ、最近の我が家では算数がかなり大きなテーマになっている。
そして妻が動いた。NN理科をやめる
そんな中、妻が一つ決断した。
NNの理科をやめる。
そして、その時間を算数の個人塾へ振り向けることにした。
最初に聞いたときは、
「理科、大丈夫なのかな」
とも思った。
実際、今回の結果を細かく見れば理科にも穴はある。
電気、植物、化学系。
やるべきことはいくらでもある。
ただ、妻が算数を優先した理由は、今回の学校別オープンだけではない。
我が家の併願戦略を考えると、算数と国語の重要度が高くなってきたからである。
第二、第三候補では算国2科も選べる
現在、第二、第三候補として考えている学校の一つが東京農大一中。
もう一つが東京都市大付属である。
そして、この2校には算数・国語の2科で受験できる入試回がある。
東京農大一中については、現時点で確認できる公式の2026年度募集要項では、第2回と第3回で「算数・国語」または「算数・理科」の2科を選択できる。
東京都市大付属も、2026年度から2月1日午後の第2回で「算数・国語」または「算数・理科」を選択できる制度になっている。学校公式もこの変更を明記しており、2027年度募集要項もすでに公開されている。
我が家としては、ここが結構大きい。
今回の学校別オープンでは、国語は早大学院で70超。
もちろん一度の結果なので過信はできないが、少なくとも現状では国語は比較的強い。
一方、算数は不安定である。
だったら、
国語という強みを生かしつつ、算数を引き上げる。
そうすれば第一志望だけではなく、第二、第三候補まで含めた受験戦略にもつながってくる。
妻が算数へ時間を振った背景には、そういう考えもある。
受験は4科偏差値を均等に上げるゲームではない
これは今回、僕自身も改めて考えさせられた。
理科にも穴がある。
社会だってもっと上げたい。
算数もやらなければならない。
国語だって今回が良かったからといって放っておくわけにはいかない。
全部やりたい。
でも、全部やる時間はない。
しかも小6の秋である。
ここからは、
何を増やすかではなく、何を残して何を捨てるか。
そういう時期なのかもしれない。
そもそも受験の目的は、
「4科目の偏差値をきれいにそろえること」
ではない。
実際に受験する学校の入試で合格点を取ることである。
第一志望だけでなく、第二、第三候補まで考えれば、算数を立て直す意味は大きい。
そう考えると、NN理科をやめて算数の個人塾へ振るという妻の判断にも筋は通っている。
これが吉と出るのかは分からない
とはいえ、
これが吉と出るのかは、正直分からない。
NN理科を続けていた方が良かった、となるかもしれない。
逆に、あのタイミングで算数へ切り替えたのが良かった、となるかもしれない。
たぶん答えが分かるのは受験が終わった後だ。
中学受験というのは、こういう判断の連続なのだと思う。
NNを取るのか。
SSをどうするのか。
個人塾を増やすのか。
過去問を優先するのか。
苦手を潰すのか。
得意を伸ばすのか。
時間は有限なのに、やるべきことだけはいくらでも出てくる。
親は常に、
「本当にこれでいいのか?」
と思いながら選択している。
ここは妻に任せようと思う
今回は妻が考えて決めた。
なので、僕は任せようと思う。
日々の学習状況を細かく見ているのは妻である。
僕も算数の丸つけをしたり、過去問の結果を見たり、こうしてテスト結果を細かく分析したりはする。
でも全体の学習管理については妻の方が圧倒的に把握している。
ここで僕まで横から、
「いや、やっぱり理科も必要じゃない?」
「NNを続けた方がいいんじゃない?」
「あれもやろう、これもやろう」
と言い始めたら、結局全部やることになる。
それでは息子がもたない。
だから、
任せるところは任せる。
これも中学受験における夫婦の役割分担なのだと思う。
偏差値だけでは、こんなことまで分からなかった
今回、2つの詳細成績表をかなり細かく見てみて、一番感じたのはこれだった。
偏差値だけ見ていては分からない。
早大学院は60弱。
早稲田は40前半。
そこだけ見れば、
「早大学院とは相性が良かった」
「早稲田とは相性が悪かった」
で終わってしまう。
でも中身を見ると、もっと複雑だった。
早大学院では立体図形ができる。
早稲田では立体図形ができない。
早大学院では理科が50台半ば。
早稲田では40前後。
その中でも天体は取れている。
国語は早大学院ではかなり良かった。
算数は難問が全部できないわけではないのに、取るべきところを落としている。
こうして答案まで掘り下げると、
「偏差値」という一つの数字が、いかにたくさんの凸凹をまとめてしまっているのか
がよく分かる。
学校別サピックスオープンというのは、自分の偏差値を確認するだけのテストではないのかもしれない。
その学校の問題を使って、自分の現在地を分解するテスト。
今回初めて、そんなふうに感じた。
あと126日。少しずつやることが絞られてきた
2月1日まで、あと126日。
早大学院の結果を見れば、少し希望は持てる。
一方、早稲田の結果を見れば、まったく安心できない。
でも、むしろこの両極端な結果が同じ日に出たことは良かったのかもしれない。
「結構いけるじゃん」
だけでもない。
「全然ダメだ」
だけでもない。
できているところは、ちゃんとできている。
できていないところも、かなり具体的に見えてきた。
そして我が家では、まず算数をもう一度立て直すことにした。
NN理科をやめて、算数の個人塾へ。
第一志望のためでもある。
そして東京農大一中や東京都市大付属といった第二、第三候補まで含めて考えた結果でもある。
この判断が吉と出るのか。
まだ誰にも分からない。
だから妻に任せる。
僕は僕で、返ってきた答案を息子と見ながら、
「ここ、平均より取れてるじゃん」
「これは取っておきたかったな」
などと言いながら、一問ずつ一緒に確認していこうと思う。
あと126日。
今回の2枚の成績表を、受験が終わったあとにどんな気持ちで見返すのだろうか。
それも含めて、ここに残しておこうと思う。

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