第一志望だけを見ていればよかった時期は、もう終わった。
2月1日まで残り4か月ほど。最近、我が家で現実味を帯びてきたのが「どこで合格を確保するか」という問題である。
第一志望はもちろんチャレンジする。ただし、中学受験では「ここなら大丈夫だろう」と思っていた学校でも普通に落ちる。だからこそ、本人の実力から見て合格可能性が高く、それでいて実際に6年間通うことになっても納得できる学校を探しておきたい。
そんな視点で学校案内をめくっていて、改めて気になったのが高輪中学校である。
港区高輪にある男子の中高一貫校。
これまで我が家では、成城、世田谷学園、獨協なども併願候補として考えてきたが、高輪もかなり面白い位置にいる学校ではないかと思い始めた。
ただ、調べてみると、
「高輪=安全校」と簡単に考えてはいけない。
ということも分かってきた。
安全校は「偏差値が低い学校」ではない
そもそも「安全校」という言い方には少し違和感がある。
安全校とは、単純に第一志望より偏差値が低い学校ではない。
もしそこしか合格しなかったとして、
「この学校なら行きたい」
と本人も親も思えることが大前提である。
通学時間、校風、勉強、大学進学、部活動、友人関係。
6年間通うのである。
偏差値表の数字だけを見て、
「ここなら受かりそうだから」
という理由だけで受験校を決めるのは、やはり少し怖い。
我が家としては、合格可能性が比較的高いこと+実際に進学しても納得できること。
この2つを満たす学校を探したい。
その意味で高輪中学校を調べてみると、なかなかバランスがいいのである。
高輪中学校はどんな学校なのか
高輪中学校は東京都港区高輪にある男子校である。
前身となる学校の創立は1885年。現在は中高6年間を前期・中期・後期の3段階に分けて教育している。中1・中2では基礎学力、中3・高1では学力伸長と進路、高2・高3では大学進学へ向けた仕上げという流れである。
校訓は、
「自主堅正」
である。
公式サイトでは、興味関心を持って意欲的に取り組むこと、他者の考えを受け入れてともに学ぶこと、自分の目標に向かって努力することを求める生徒像として掲げている。
そして今回、学校案内を読んでいて個人的に一番引っかかったのが、学校からのメッセージにあった言葉である。
「あたたかく普通の高輪学園」
派手ではない。
でも、なんだかいい。
中学受験をしていると、どうしても「最難関」「グローバル」「東大」「医学部」といった強い言葉ばかりが目に入ってくる。
しかし6年間毎日通う学校なのだから、最後は「普通に居心地がいい」というのもかなり重要なのではないかと思う。
何よりアクセスが強い
高輪の大きな魅力は立地である。
最寄りは泉岳寺駅で徒歩3分。白金高輪駅から徒歩5分、高輪ゲートウェイ駅からも徒歩6分となっている。
これはかなり強い。
中学受験ではつい偏差値や大学実績ばかり見てしまうが、入学後は年間200日前後、それを6年間通うことになる。
片道20分違えば、往復40分。
6年間ではものすごい時間になる。
部活をやって帰宅し、そこから夕食、宿題、風呂、睡眠。
中高生になったら通学時間は想像以上に効いてくるはずである。
東京都心から複数路線でアクセスできる高輪は、その意味でも併願候補に入れやすい学校だと思う。
大学進学実績もかなりしっかりしている
「もしここに進学することになったら」
と考えたとき、やはり気になるのが大学進学実績である。
2026年度大学入試では、東京大学4名、京都大学2名、東京科学大学2名などの合格者を出している。
私立でも早稲田大学24名、慶應義塾大学30名、上智大学33名、東京理科大学46名、明治大学68名など、幅広い大学への合格実績がある。学校発表による2026年度の現役合格率は84.6%である。
もちろん大学合格者数だけで学校を選ぶつもりはない。
ただ、「安全校」として考える場合こそ、
もし本当にそこへ進学することになったときに納得できるか
は重要である。
その点、高輪は十分魅力的に見える。
2027年入試は4回チャンスがある
高輪中学校には複数回の入試がある。
2027年度は次の予定となっている。
| 入試 | 日程 | 科目 | 募集人数 | 四谷大塚80偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| A日程 | 2月1日午前 | 4科 | 70名 | 55 |
| B日程 | 2月2日午前 | 4科 | 80名 | 58 |
| 算数午後 | 2月2日午後 | 算数1科 | 20名 | 64 |
| C日程 | 2月4日午前 | 4科 | 30名 | 55 |
2027年度はB日程の募集人数が80名となっている。A・B・C日程は4科、算数午後入試は60分の算数1科目である。
これだけ見ると、
「何回も受けられるから安全校にしやすそう」
と思う。
ところが、そう単純でもない。
倍率を見ると決して「楽に受かる学校」ではない
手元の学校案内には2025年度入試の数字が載っているが、公式サイトではすでに2026年度の結果まで公開されている。
2026年度は、
| 入試 | 実受験者 | 合格者 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|
| A日程 | 318名 | 106名 | 約3.0倍 |
| B日程 | 431名 | 134名 | 約3.2倍 |
| C日程 | 375名 | 96名 | 約3.9倍 |
| 算数午後 | 241名 | 85名 | 約2.8倍 |
となっている。
3倍前後である。
全然「安全」ではない。
特に2月4日のC日程は、第一志望校の結果を見ながら受験してくる層も多くなるため、後半の日程だから簡単になるというわけではない。
むしろ、「最後に高輪を受ければ何とかなるだろう」と考えるのは危険だと思う。
算数午後入試は我が家には面白い。でも安全校ではない
もう一つ気になるのが2月2日午後の算数1科入試である。
我が家では最近、算数と国語を重視した受験校も考えるようになっている。
その意味では、
算数だけで勝負できる入試
というのは非常に興味深い。
しかも学校公式Q&Aによると、単に答えだけではなく「計算過程」、つまり答えに至るプロセスを重視する記述型の算数入試である。
ただし注意したい。
2027年度の四谷大塚80偏差値を見ると、算数午後は64である。A日程55、B日程58、C日程55に比べて明らかに高い。
つまり、
算数午後=1科目だから簡単
ではない。
むしろ算数が得意な受験生が集まる入試である。
安全校を確保する目的で使う入試ではなく、「算数が武器になる子がもう一度チャンスを増やす入試」と考えた方がよさそうである。
我が家の場合、最大の問題は入試日程
そして我が家に当てはめて考えると、一つ問題がある。
現在の受験プランでは2月1日午前に第一志望へ挑戦する予定である。
したがって、高輪A日程は使えない。
2月2日午前にも別の候補校を考えているため、高輪B日程を入れるとなると、併願プランそのものを見直す必要がある。
そうすると残るのは、
2月2日午後の算数入試か、2月4日のC日程。
ところが先ほど書いた通り、算数午後は偏差値が高い。
C日程も倍率は高い。
つまり高輪は、
学校そのものは「安全校候補」にしたいのだが、我が家の受験日程に組み込もうとすると意外と難しい。
ここはもう少し考える必要がありそうである。
「合格しても行きたい」と思えるかが一番大事
それでも高輪は、我が家の併願候補として残しておきたい。
理由はシンプルである。
アクセスがいい。
男子校である。
大学進学実績もしっかりしている。
6年間を見通した教育も分かりやすい。
そして何より、学校案内に書かれていた、
「あたたかく普通の高輪学園」
という言葉が妙に気になる。
第一志望校を考えているときは、どうしても「入りたい学校」を探す。
しかし併願校を考える段階になると、少し視点が変わってくる。
「もしここだけ合格したとして、笑って入学式へ行けるだろうか」
という視点で学校を見るようになる。
これが結構大事なのだと思う。
偏差値が低いから受ける。
倍率が低そうだから受ける。
そういう学校ではなく、
第一志望ではなくても、ここなら6年間任せたい。
と思える学校を用意しておきたい。
高輪中学校は、その候補になりそうである。
高輪を「安全校」と呼ぶのはまだ早い
今回調べてみて、高輪中学校に対する印象はかなり良くなった。
一方で、
「高輪なら安全だろう」
という認識は少し修正した方がよさそうである。
倍率は決して低くない。
日程によって難易度も大きく変わる。
特に算数午後入試は、むしろかなり高いレベルの勝負になる。
安全校というのは学校名で決まるものではない。
どの日程を受験するのか。本人の現在の成績からどれだけ余裕があるのか。そして過去問との相性はどうなのか。
そこまで見て初めて「合格を取りにいける学校」になるのだろう。
我が家の場合、高輪は現時点では、
「安全校」ではなく「安全校候補」
くらいの表現が一番しっくりくる。
あとは実際の過去問をやってみて、息子との相性を見たい。
中学受験まで残りわずか。
第一志望だけではなく、「2月をどう戦うか」という全体の組み立ても、そろそろ本気で決める時期になってきた。

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